コロナウィルスによる完全オンライン授業対応2020年3月31日

コロナウィルス対策として、現在、授業は完全オンラインで対応しております。コロナウィルスの鎮圧までオンラインで授業は行われることになりますが、こうした対策が学生の健康と福祉の為に重要であると考えております。

授業のオンライン化に伴い、入校希望者への説明会もオンラインでのみ受付をおこなっています。入校をご検討の方には、オンラインでの面接をセッティングしますので、ぜひ以下のメールアドレスまでお申込下さい。

オンライン説明会申し込み先:info@gmc-bs.com

Yahoo News にインタビュー記事が掲載されました。2019年12月4日

取る前に知りたい!「稼げるMBA」「稼げないMBA」の違いとは?と題してYahoo NewsにExeJapan Business School ディレクターの喜多と、MBAを取得した卒業生のインタビュー記事が掲載されました。

掲載記事はこちらから >>

 

 

Yahoo Newsに掲載されている弊校のMBA取得インタビュー①

 

白川仁美さん(仮名)

医師という多忙を極める日々の中で、実際に国内でMBAを取得された30代後半の白川さんにお話をお伺いしてみました。

クリニックの開設によってマネジメントや経営に向き合うことになり、MBAの取得までされた理由とは――

―ご経歴を教えてください。

医科大学を卒業後、国立病院の医療センターにて初期研修をはじめ各種研修を行い、2012年にクリニックを開設し、院長として勤務。現在は都内のクリニックにて勤務しています。

―チャレンジしたMBAはどんなものですか?
スイスのEuropean University Business School(EU Business School) のMaster of Business Administrationコースです。

―MBA取得の動機・理由を教えてください。

私は、医師9年目に院長として新規分院を立ち上げることになり、同時に法人の理事にも就任したことをきっかけとして、自らのクリニックの運営や法人全体の経営に係わるようになりました。

しかし、医師の卒前・卒後教育において、マネジメントや経営に関して学ぶ機会はほとんど無く、突然管理者サイドに就くことになった多くの若手医師同様、手探りの日々でした。

院長業務に限っては、スタッフにも支えられ、手探りでも何とか回せましたが、親ほど歳の離れた男性理事で構成される理事会では全く存在意義を示せずにいました…。

そこで、単なる経験則に依るのでは無く、学術的根拠をもって、より論理的にマネジメントを行えるようになりたいという思いから入学を決意しました。

―MBAの勉強を始めて得られたことはどんなことでしょうか?
下記の3つの点がMBAを学んだことによって得られた利点でした。

----------
1. 思考様式の多面的な訓練が臨床スキルのブレイクスルーを引き起こすこと
2. 個人、人材、組織のマネジメント・リーダーシップの力を鍛えること
3. 異分野の人脈形成
----------

特に、人脈形成については、MBAコースでは様々な職種・世代の人々と人的交流が図ることができました。

そして、多様な価値観を持つ人々とのディスカッションやグループワークは自身の成長に繋がり、その関係性は卒業後の現在も継続しておりこれからの人生のうえでも大きな財産となりました。

また、MBAで学んだマネジメントによって業務面における改善があらわれ、結果として収入が1.5倍となりました。

――MBA取得には多大なお金や時間がかかります。せっかく取得するのなら、「稼げるMBA」を取りたいもの。本稿がその一助になればと思います。

なお、より詳しい情報を知りたい方に、詳細なデータやMBA取得者のインタビューをこちらに掲載しています。合わせてご覧いただければ幸いです。

掲載記事はこちらから >>

 

インタビュー記事公開 キャリアプラン最前線 ~MBAを目指した3人の女性たち~2019年11月23日

第3回:MBAのその先へ

 

インタビュー&カメラ:方喰正彰

 

1回目ではMBAの基本的な内容、2回目では日本のMBAと世界のMBAについて紹介させて頂きました。最終回となる今回は、「MBAのその先へ」というテーマで締め括りたいと思います。

 

バブル崩壊以降、「失われた20年」と言われていたものが、「失われた30年」になろうとしている日本ですが、スイスでビジネススクールを運営するIMD(International Institute for Management Development、国際経営開発研究所)が毎年発表している国際競争力ランキングでは年々落ちていた順位が、ついに2019年度のランキングで30位という結果になってしまいました。

インバウンド対策では2013年に初めて訪日外国人観光客が1000万人を超え、2016年に目標としていた2000万人を突破、さらに来年のオリンピックイヤーでは4000万人の目標を掲げて着実に数字を伸ばしていますが、3年たらずで数値を倍増、1000万人もの人を惹き付けたにも関わらず、国際競争力では大きく低下しています。

国際競争力ランキングの評価項目は332あり、主に「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4つの観点から評価されていますが、2019年度版の結果を見るとビジネスの効率性では46位、政府の効率性では38位など、社会的な面で評価が低くなっています。

話をMBAに戻しますと、MBA取得において1つのハードルとなっているものにお金の問題があります。そこで、MBAをお金の側面から見ていきたいと思います。

 

― MBA 留学の費用対効果

喜多:海外ではMBA 取得にあたって費用対効果を考えることが一般的で、現実的な人であればほとんどの人がMBAに対する費用対効果を意識しています。

社会人の場合、MBA を取得したことで望める年収と現在の年収を比較し、MBA にかかる費用(授業料など)と2 年間仕事から離れる逸失利益を加算して、それが何年で回収できるかを計算する方法です。端的に言うと、「高い授業料を払って元が取れるかどうか」ということを比較検討するのです。

たとえば、ハーバード大学、スタンフォード大学などになると、2 年間で最低10 万ドルほどの授業料がかかるといわれています。これに教材費、生活費などを加え、さらに逸失利益(学業のために働けないことで失う給料)を加えると、27~28 万ドルほどになるため、家を購入するのと同じくらいに大きな決断が必要になるのです。

アメリカのビジネススクールではリターンにかかる年数が公表されているので、留学する際には参考にしたい数字です。

 

 

GMAC(Graduate Management Admission Council)というビジネススクールへの出願に際して提出が必要となるテストを行っている団体では、学位レベルによる報酬(年収)の比較を毎年統計調査しています。

また、卒業生の職務レベルとプログラムの種類別報酬というものも公表されており、全体的にはFT2 YRMBAプログラムを卒業した方の報酬が全体的に高くなっていることが分かります。

 

FT 2 YR MBA・・・2年制のMBA(終日授業がある。イギリスはPart-time)

FT 1 YR MBA・・・1年制のMBA(終日授業がある。イギリスなどはFull-time)

Part-Time MBA・・・平日及び夜間などMBA

Flexible MBA・・・自由にカリキュラムが作れるMBA

Executive MBA(EMBA)・・・7-10年以上の職務経験がある人を対象にしたMBA(この学位はMBAです)

さらに受講形式としては、Blended learningやBlock learningを設けて受講しやすくしているコースもあります。

― 近年のMBAの特徴はどのような状況でしょうか?

喜多:特に今伸びているのは国境を越える高等教育(Trans National Higher Education / Cross border Higher Education)です。例えば、イギリスの教育をイギリスに行かないで自国で学習する人が世界に約70万人います。イギリス大学協会(Universities UK)の「The scale of UK higher education transnational education 2016-17」によるとオンラインだけではなくイギリスの国立大学の過半数がプログラムの輸出を行なっていますが、その形式は多様です。その輸入先のトップはマレーシアで、74,000人に人が学んでいます。続いて、中国で約7万人が学んでいます。

今の時代は留学というのはある程度の地位や給与を得ているビジネスマンにとってはリスクが大きすぎます。できれば自国いながら海外大学の学位が取得できれば機会損失が少なくなり、またその他の様々なリスクも回避することができます。香港には世界の大学の教育プログラムが約1,000種類ほど輸入されており、その半数がイギリスから輸出されたものです。

 

 

 

― 時代はMBAからDBAへ

MBAの上位クラスとしてDBAという分野があります。アメリカのMBA協会(The Association of MBAs)によると、DBAとは次のように定義されています。

 

「DBAは博士課程レベルの研究ベースの学位であり、管理分野における学際的な専門的実践の強化、理論的枠組み、方法、および技術の開発と応用による知識に貢献するように設計されています。DBAは、理論の新しい応用や実践における文脈内での潜在的な創造性や実験に重点を置いています。」

(DBA Accreditation Criteria April 2016より筆者翻訳)

 

 

― DBAを目指す人が増えている背景

喜多:MBA の上位に位置する学位で日本語では「経営管理学博士」などと呼ばれています。

日本ではまだDBAを学位として設置している学校は少なく、優秀な人材を育成するうえでも日本におけるDBAの必要性が高まっています。

なお、MBAを経営学修士と訳されているケースが多くみられますが、適切には経営管理学修士とすべだと思っています。従ってDBAについては経営管理学博士が適切だと思っています。

DBAについて知らないPhD ホルダーもかなりの数がいると思います。博士と言えばPhDが有名だからです。DBAはProfessional ドクターと言われ、日本では今までビジネスの上級管理者はMBAホルダーと考えられてきた時代が長かったですが、今はビジネス社会で上級を目指すにはDBAの学位が必要です。現に欧州中堅ビジネススクールでは軒並みDBAコースを新設させて力を入れています。

それは企業社会が求めているからに他なりません。

しかもPhDの様に何年も掛かって論文を仕上げるのとは違って、ビジネスマンにとって取り組みやすいからです。未だにMBAがビジネス社会でトップ層だと思っている方がいらっしゃれば、すぐにでも最新の状況をお調べになってみることをお勧めします。世界を相手にした際に恥をかいてしまいます。

もはやMBAは中間管理職の持つ学位になりました。日本をベースに考えている間に世界から大きく遅れをとってしまいます。日本はこの分野で周回遅れどころか、未だ昭和時代で止まっているといっても過言ではありません。

 

近年になって、世界でも各ビジネススクールがDBA学位に近似した学位を出し、競い合うようになってきました。すべてDBA系ですが、差別化を図るため、DBA,Executive DBA, PhD in business administration、executive PhDなどといったプログラムを設けています。

日本の大学のDBAと称するコースを受験する場合は注意点としては、それらのコースが本来のDBAコースと言えるものなのかをよく精査することです。もちろん文科省にはMBA、DBAという学位はありません。日本で大学名が有名だからといった判断基準ではなく、教員がどの程度の実戦的ビジネス経験を持ちながらどの程度のアカデミズムを背景としているかという点がポイントになります。教員自身が前線でのビジネス経験が乏しいのであれば、PhDコースと変わらないことになってしまいます。MBAの上位に来るのがDBAですからこの点は重要なポイントとなります。また、繰り返しとなりますが、そもそも日本の文科省にはMBA、DBAという概念も学位もありませんので、自身できちんとした目を持って判断することが大切です。

 

 

― DBAに関する現在の状況

喜多:日本企業復興には日本人ビジネスマンの高度教育が不可欠だと考えていますが、ビジネスが複雑化し、高度な専門知識や手法が必要となってきていている昨今、MBAだけでは充分とは言えない点もあります。また、MBAを取得した人でも、時間が経っていれば自分でアップデートし続けていない限り、MBAで学んだことの多くが「有効期限切れ」になってしまっているかもしれません。

例えば欧米企業の管理職は、ビジネススクール(所謂MBAスクール)の上級管理職エグゼクティブコース(ショートコース)に参加して世界の企業人と特に異業種間で勉強し合っていますが、日本企業ではそうしたことが非常に少ないのが現状です。

日本企業の役員陣も同じ企業文化内に汲々としてないで、武者修行や他流試合をしないと外資系企業に太刀打ち出来ません。過去に光栄をつかんだ有名なメーカーが衰えて、外資系企業に買収されて行く姿は悲しく思います。

 

また、教育の現場に目を移しても、日本では真の意味でビジネス経験豊富(実戦的)なDBA(経営管理学博士号)取得の教員も不足していると思います。外資系企業ではDBAホルダーを積極的に採用しています。転職サイトにDBAホルダーだと掲載すれば即座にエージェントから必ず引き合いが来るような状況です。

 

 

― 日本人の方で、DBAを目指される方はどんな方でしょうか?特徴を教えてください。

喜多:まずMBA取得者が主です。MBAはもうその環境では持っていることが当たり前で、優位にならないという危機感を感じている上昇志向のマネジャーやトップ層の人たちです。ビジネス世界で優位な位置で優位な仕事をしたいという人がDBAの取得に動いています。

DBAに入学して研究をしようという人は殆どいません。いるとすればPhDの方が向いています。MBAやDBA保持者は前線の司令官として活躍するような仕事を担うことが多く、また企業側もそのようなことを期待しています。実戦性を求めていない人はPhDコースに行くほうがよいでしょう。

MBAを苦労して取得しても、資格として人事に登録されたり、MBAやDBAに対する理解や応用する土壌のない保守的な企業体質に幻滅してDBA取得後外資系企業に転職を狙っている方なども少なからずいます。なかには、MBAの学位を取得しても名刺に書いてはいけない…と言われたケースなどもありました。残念ながら、日本の遅れは甚だしいといわざるをえません。

 

― 海外の学校へ視察に行かれることもあるようですが、海外のDBAの方々とお話されてどのような印象を持たれましたか? また日本(人)についての話題になったことがあれば教えてください。

喜多:この分野の教育機関の管理者やDBAホルダーと話すと、もはやMBAは自動車免許のような存在であって、これからは上級管理職はDBAの取得が必要であるという見解で一致します。また、スクール側から見るとPhDプログラムはコストのかかる博士、DBAプログラムはお金を稼いでくれる博士というイメージで、中堅ビジネススクールではどんどんDBAコースの設置を始めている…という話題になります。当然DBAホルダーはMBAに対しては一線格下に見ています。実力とは言っても実力があてになる保証はありません。もちろん博士取得していても保証はできないですが、それだけの学習と広い知見を得ていることは当然ですから上級管理職としては優位になります。そういう意味で、キャリアアップやリカレント教育に対する二極化が起きているといった話題が話されています。日本人のことについては話題になりません。

 

― DBAで教えている教授陣の方について驚いたことや印象に残っていることがあれば教えてください。

喜多:DBAはProfessionalドクターとは言え、単なる実業学校ではないので、アカデミックな深掘りはもちろん必要です。しかし、実際の前線での経験がなければ単なるPhDコースの教授でしかありません。DBAで教える教員は前線における実戦経験が必要だと思います。逆に、そうでなければ日々実践で試行錯誤している受講生と噛み合いません。残念ながらその点を考慮すると、日本でDBAの教員を揃えるとなれば相当難しいというのが難点です。

自分がフランスのDBAに入学した際のアメリカ人教授によるResearch methodsの授業では1日9時間の授業が5日間続きましたが、全くばてずにとうとうと教えていました。これは流石にすごいと感じました。

本来はMBAもDBAもビジネススクールで教えるにはそれなりの教育機関で訓練を受けた教員が教えるべきではないかと考えています。日本の教員でそのような教育機関(例えば、かなり以前であればハーバードビジネススクールのteaching programなど)で訓練を受けた教員がいましたが、今ではどうでしょう?殆どいないのではないでしょうか?

今春訪問したスロベニアの認証機関IQAでは今でもそのようなプログラムがあり、アジアからも参加者が少なくありませんが、残念ながら日本からはほとんど参加者がいませんでした(過去に一人だけ)。

日本の高等教育水準が低いと思われないためにも、これらの問題には早急に向き合うことが必要だと、焦るばかりです。

 

 

 

MBAを目指した女性へのインタビュー

3人目:森美保さん(仮名)

外資系の保険会社からキャリアをスタートさせ主にコンプライアンス業務を担当してきた森さんにDBAにチャレンジされた経緯をお伺いしてみました。興味を持ったらとりあえず何でもやってみるという気持ちで挑んだDBAの世界とは――

 

簡単にご経歴を教えてください。

米系保険会社、日系信託銀行、欧州系投資銀行等で10年ほどコンプライアンス業務を担当し、現在は欧州系投資銀行でのコンプライアンス業務に携わりコンプライアンス的側面からビジネスを支援しています。

 

チャレンジしたMBAはどんなものですか?

イギリス国立アングリア・ラスキン大学MBA、UITM(ポーランド情報技術経営大学院DBA)です。

 

学校の決め手はどこにありましたか?

仕事を続けながら週末に学ぶことができる点です。仕事は充実していて楽しいですし、経済的な面でも仕事を辞めてまで学ぶという選択肢はなかったため無理なく出来るという点で大きなポイントとなりました。

その他では、米国法を英語で学べることや、会社以外でも英語に触れる機会を増やしたかったため英語を使ったカリキュラムであるということもポイントとなりました。

また、授業の資料などが事前にネットで入手・閲覧できる点も便利でした。

 

MBA取得までに悩んでいたことがあれば教えてください。

人生は一度しかないし、過去には戻ることができないので興味を持ったらとりあえず何でもやってみることにしています。そのため、悩みはありませんでした。

 

MBAの勉強を始めて得られたことはどんなことでしょうか?

MBAの取得において、資金面の問題があると思いますが、私の場合はMBAの学習を始め、結果を出すことに意識を集中して仕事に取り組めるようになったおかげなのか、社内評価が上がり昇進昇給することが出来ました。結果として経済面で楽になったため、先行投資としてはいい対象だったと思います。

 

印象的だった出来事があれば教えてください。

生徒たちがさまざまなバックグラウンドを持つ方々ばかりで、ディスカッションもプレゼンも勉強になりました。グループでプレゼンをするとなったときに、メンバーがそれぞれに個性や得意分野があって、それらを活かしながら作り上げていくのはとても楽しく、絆が深まりました。また、決まった校舎があるわけではなく、決まったテキストがあるわけではないので手作り感があり、その中で教授も生徒も一丸となって授業を作り上げているという一体感がありました。

 

MBAにチャレンジして良かったことを教えてください。

普段では出会えないような方々と出会えて、世界が広がり、人生がより充実したように思います。少人数制なので早い段階で生徒同士が顔見知りになったり、OBやOGが授業に参加したり、飲み会や食事会があったりと、人との交流がさかんで楽しかったです。

仕事においても、社内ステークホルダーやキーパーソンとの信頼関係がより強くなり、以前にも増して重要案件を任されるようになりました。

 

やり残したこと、後悔していることなどがあれば教えてください。

過去を振り返って反省をすることはあるけれど、どれも次につながっていて、いい経験になっていると思いますのでやり残しや後悔はありません。

 

MBAでキャリアアップを目指す女性に向けてのメッセージをお願いします。

人生は一度きりなので少しでも興味があるなら挑戦してみてください。そこから広がる世界があると思います。

働きながら授業に出たり課題をこなさなくてはならないので、精神力・体力を鍛えることも必要です。周りの雑音に惑わされないために多少の鈍感力も必要です。

MBA取得でキャリアアップを考えている場合には、与えられている仕事に励み結果・実績を出し社内での立場を上げていくことも大事です。転職時に結果や実績が伴わないと、転職が成功しないように思います。

他人が何と言おうとも自分が決めたことであれば、自分を信じてただやるのみです。自分の人生は自分で選択する、他人任せにしないということを大切にしてください。

 

 

 

今回、この取材でMBAやDBAの分野から世界に目を向けることで日本の置かれている厳しい現実に改めて目を向けることになりました。頭で仕事をする時代がどんどんと進んでいく中で、ビジネスの分野はもちろんですが、科学技術等の面への影響についても懸念がぬぐえません。昭和の時代から平成の時代になり日本人のノーベル賞受賞者数は3倍ほどになりましたが、令和の時代はどうなるのか、期待よりも不安が先に立ってしまう気持ちが杞憂に終わってくれることを切に願いたいと思います。

最後に7人の賢者の学びに関する言葉を記して、このMBA・DBAシリーズを終わりにさせて頂きたいと思います。毎回長文をお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

スティーブン・R・コヴィー

自分への教育は自分の無知を認めることから始まる

 

B.B.キング

学びの素晴らしさは、誰もそれをあなたから奪えないことだ

 

ウォルト・ディズニー

失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか

 

アインシュタイン

学べば学ぶほど、自分が何も知らなかった事に気づく、気づけば気づくほど、また学びたくなる

 

ドリス・レッシング

学びとは、つまり人生の中で理解したと思っていたことを新しい形で突然、理解し直すこと

 

新渡戸稲造

学べども、なお学べども、学べども学び足りぬは、学びなりけり

 

ナイチンゲール

5年間にわたって1日に1時間同じことに時間を費やせば、その道の専門家になれる

 

 

喜多元宏氏プロフィール

DBA(経営管理学博士・スイス),MBA(フランス),東大修士(教育)、金工大工学(修士)

フランス・グランゼコールexeDBA中途退学(ENPC)

株式会社エグゼクティブ・ジャパン 代表取締役 / 欧州アジア大学院MBA・DBA学位取得総合教育プロバイダー 代表 / ExeJapan Business School 代表。

1977年、早稲田大学を卒業後、住宅資材関連商社に入社。海外事業責任者として世界40カ国で国際ビジネスを経験。嘗て、中東湾岸戦争直前にイラクのダム建設現場での住宅建設に関わる。1993年、フランス・グランゼコール国立ポンゼショセ校国際経営大学院で国際MBAを取得。在学中、学生運動を起こし学校側と対峙し、その縁で学長補佐官を拝命。帰国後、欧州系企業の本部長、社長を歴任。2002年、イギリス国立ウェールズ大学と交渉、MBAジャパンプログラムを創案、導入、東京で開講。初代プログラムディレクターとなり、2006年に退任。その後、欧州委員会関連機関で欧州ビジネスマンに日本における製造・流通・投資についての教育ミッションを担当する。NPO法人エイジコンサーンジャパン(イギリス最大福祉事業団体日本版)理事。著書『間違いだらけのMBA』(光文社ペーパバック)。

https://www.exe-japan.com

インタビュー記事公開 キャリアプラン最前線 ~MBAを目指した3人の女性たち~2019年11月22日

第2回:日本のMBAと世界のMBA

 

インタビュー&カメラ:方喰正彰

 

1回目ではMBAの基本的な内容を中心にご紹介させて頂きました。2回目となる今回は「日本のMBAと世界のMBA」を中心にご紹介させて頂きます。

 

 

 

日本に不足しているリカレント教育

生きながら人生の墓場に入った」という発言が話題になった厚生労働省の現役職員の切実な声にもあるように、優秀な人材が才能を活かされない日本の状況は、海外からみると、ガラパゴス化して人口が減少し、社会インフラが老朽化し、綻び朽ちてゆくように見えているかもしれません。

 

喜多氏によると、「日本人は大学卒業後に再勉強する(リカレント教育)割合がとても少ない状況です。政府としてもリカレント教育の推進に力を入れていますが、社会人がOJTだけではなく専門教育機関に行き高度教育を受けることは世界では珍しくない話です。日本で企業の重要な役職の大部分を大卒=学士課程卒業の人材で構成されていますが、それは世界的にみると特異な状況です。業界や事業のレベルによりますが、他国の大企業では重要な役職には博士号をもった人材が充てられていることが多く見受けられます。」

 

 

日本では修士号取得者が少ない

下記の1つ目の図を見て頂くと、人口100万人当たりの学士、修士、博士の割合が出ていますが、少子化・人口減少で大学が「全入時代」と言われている学士の割合でさえ韓国、イギリス、アメリカを下回る水準です。修士に至っては、そう簡単に追いつけないほどに低水準であることが分かります。博士に至っても同様で、データが古いものとなりますが、統計時点では日本だけが前回調査時よりも減少していることが指摘されています。

さらに2つ目の図を見ると、若年層、若手層において、その影響が深刻であることがうかがえます。

先程の日本全体で割合から見た数字でも芳しくない状況でしたが、年齢を絞ってみるとその厳しい現状がより鮮明となってきます。

 

喜多氏によると、「修士号取得者の国際比較をすると、欧米は勿論のこと、韓国にも大きく水をあけられています。最近では外資系企業では会議は修士号取得者以上でないと出席できないという話すらあります。やはり会議の合理性においても論理を組み立てる学習経験を経ている修士号取得者でないと効率化が悪いということでしょうか。」という懸念の声が上がりました。

(出所:中央教育審議会大学分科会 大学院部会(第93回)参考資料より 2019年6月5日)

 

(出所:文部科学省「高等教育の将来構想に関する参考資料 2018年3月27日」)

 

 

 

― MBA保有者が転職で門前払い?

喜多:「会計学修士」や「ファイナンス修士」のコースの学位を単に「MBA」や「MBA in Accounting」「MBA in Finance」などと表記している学校があります。

「MBA in Accounting」「MBA in Finance」という以上は、そのプログラムの基本内容はあくまでもMBA のはずであり、選択科目あるいはアドバンス科目で、会計学、ファイナンスとなるはずであるが、日本では同列に扱っている場合があり、整合性が取れていません。イギリスQAAの概念ではType 3がMBAでGeneral Management Career Development Courseです。方や会計学や財務はType 1のspecialtyコースになります。

 

しかし、そうしたカリキュラムをよく見ると、日本語で表記された通り「会計学修士」「ファイナンス修士」の内容になっているのです。そして、会計学修士、ファイナンス修士では会計学やファイナンス関連の専門性の高い科目がカリキュラムの中心となっているのです。

そのため、日本の大学院で取得したMBAを持っていざ外資系企業に転職しようとしても、外資系企業の基準でいえば「MBA非保有者」とみなされて、履歴書チェックの段階で門前払いになる可能性が低くないのです(外資の採用は人事ではなく事業担当責任者が採用するため、MBAの事情に詳しい方はMBAの内容が本物であるかどうか見抜きます)。

 

高い授業料を払い、相当な時間を費やして取得したMBAが世間で認められないものと知った時のショックは少なくないでしょうし、日本のMBAの信用低下も危惧されます。

 

― なぜ日本国内で海外のMBAが取得できるのか

喜多:なぜ日本語で海外の学位が取れるのかという質問をよく頂きますが、たとえば、イギリスの場合はバリデーション制度といって、海外の教育機関に認証を与えて、そこで本国側が認証した教育を行うことによって現地に留学をしなくてもMBAが取れるようになっています。その大学が認めた場合に日本語も受け入れるケースもあります。そのほか、中国語、スペイン語、アラビア語などを受け入れているプログラムもあります。

OECD/GATT ガイドラインにもあるように、いわゆる「国境を超える高等教育」という概念があり、イギリスの場合は教育プログラムの輸出を行っています。つまり、イギリスの高等教育をイギリスで受けなくて自国で受けている人が約70万人(世界)で、国別にみると最も多いのがマレーシアの約74,000人、続いて中国の約7万人です。

しかし、今日のグローバル化時代に経営管理学の世界共通言語であるMBAを日本語だけで受講するというのは頂けません。というのは、やはり英語で議論ができなくても課題を英語でしっかりと論理的に書き落とすことができないようではビジネスマネジャーとして通用しません。安易に「日本語だから」「海外大学の学位の方がカッコ良い」ということで海外大学の日本語100%のコースに行こうと考える人もいますが、まずは勉強や仕事が多忙となり、英語の学習ができないまま卒業して、英語できない外国のMBAホルダーとなり却って恥をかくことになりかねません。理想としては授業は日本語でも課題は英語でしっかりと学習させる、そして論文を書かせるというのが理想です(英語100%はかなり難がある方も多いのが実情)。

 

― 日本でのMBAについて最も勘違いとは?

喜多:まず、ほとんどの方は日本の大学の表記しているMBAは文部科学省が認可したと勘違いしているケースが多く見受けられます。文部科学省ではMBAという外国語の学位は認証していません。ましてやMBAという概念も持ち合わせていません。担当部署もなければ認証機関でもありません。MBAについて第三者品質保証機関(国際認証機関など)が認証して初めてMBAといえるものとなります。

日本の大学のMBAと表記しているほとんどが専門職大学院であり、その学位は○○修士(専門職)というのが正しい表記になります。またMBAの学習法は答えが決まっているものに対して記憶してゆく学習ではなく、論理の組み立てを構築する学習になります。日本人はコピペ的な回答の傾向になってしまいがちですが、これでは通用しません。「学習する」のではなく「学習法を学ぶ」ところがMBAです。

 

 

― さまざまな業種からMBAを目指す人が増えている

喜多:以前はMBA入学者といえば中間管理職のビジネスマンが中心でしたが、最近では若いこれから中堅管理職になろうとする方、あるいはバックオフィスにいた人が前線に駆り出されることになり受講する方、更にはIT系の方や医療関連の方、特に医師などに注目が高まってきているように感じます。

それだけ経営管理学の基本を学んでおかないと独りよがりの偏った知識や手法では通用しなくなってきているということだと思います。MBAは経営管理学の世界共通言語であり、例えば自動車を運転するのには自動車免許が必要であることと同じくらい持っていることが当たり前のものとなってきています。

 

 

 

MBAを目指した女性へのインタビュー

2人目:白川仁美さん(仮名)

医師という多忙を極める日々の中で、実際に国内でMBAを取得された30代後半の白川さんにお話をお伺いしてみました。クリニックの開設によってマネジメントや経営に向き合うことになりMBAの取得までされた理由とは――

 

 

簡単にご経歴を教えてください。

医科大学を卒業後、国立病院の医療センターにて初期研修をはじめ各種研修を行い、2012年にクリニックを開設し、院長として勤務。現在は都内のクリニックにて勤務中。

家庭医療専門医、在宅医療専門医。

 

 

 

チャレンジしたMBAはどんなものですか?

European University Business School(EU Business School)-スイス

Master of Business Administration

 

学校の決め手はどこにありましたか?

勤務医として務めながら確保出来る学習時間には制約があるため、従来のプログラムでは通学が困難でした。そこで、その制約を解決してくれて、かつ第三者機関の品質保証のある海外MBA学位を取得出来る新しいプログラムを提供してくれる学校を選択しました。

 

MBA取得までに悩んでいたことがあれば教えてください。

私は、医師9年目に院長として新規分院を立ち上げることになり、同時に法人の理事にも就任したことをきっかけとして、自らのクリニックの運営や法人全体の経営に係わるようになりました。しかし、医師の卒前・卒後教育において、マネジメントや経営に関して学ぶ機会はほとんど無く、突然管理者サイドに就くことになった多くの若手医師同様、手探りの日々でした。

院長業務に限っては、スタッフにも支えられ、手探りでも何とか回せましたが、親ほど歳の離れた男性理事で構成される理事会では全く存在意義を示せずにいました…。

そこで、単なる経験則に依るのでは無く、学術的根拠をもって、より論理的にマネジメントを行えるようになりたいという思いから入学を決意しました。

 

MBAの勉強を始めて得られたことはどんなことでしょうか?

海外MBA学位を取得した医師の著書「MBA的医療経営−目指せ!!メディカルエグゼクティブ」という書籍によると、医療従事者がMBAを目指す意義として以下の3点が挙げられていましたが、実際に自分の現状を振り返ってみてもMBA取得を通してこれら3点に近いことは獲得出来たように思います。

 

1. 思考様式の多面的な訓練が臨床スキルのブレイクスルーを引き起こすこと

  1. 個人、人材、組織のマネジメント・リーダーシップの力を鍛えること
  2. 異分野の人脈形成

 

特に、人脈形成については、MBAコースでは様々な職種・世代の人々と人的交流が図ることができました。そして、多様な価値観を持つ人々とのディスカッションやグループワークは自身の成長に繋がり、その関係性は卒業後の現在も継続しておりこれからの人生のうえでも大きな財産となりました。

 

印象的だった出来事があれば教えてください。

最終講義である上級ビジネス戦略の課題で自施設についてプレゼンテーションを行ったところ、クラスメートから理論的でとても分かりやすかったと高評価をもらえたことが印象的、嬉しい出来事でした。他業種と比べビジネスリテラシーが低いことが入学当初のコンプレックスでありましたが、様々な職種・世代のクラスメートと過ごした貴重な時間が、自身のリテラシーを高めることに繋がったことを実感出来た瞬間でした。

 

MBAにチャレンジして良かったことを教えてください。

経営の世界には答えが存在しないため、これまで慣れ親しんだ絶対正解追求・記憶学習といった手法は通用しないということを知ることができました。医療従事者は人命を預かっている職業柄、誤りは許されず、どうしても知識偏重になりがちですが、経営管理学には記憶しようとせずに広く考えを拡散させる思考力、文献・書籍に書かれた内容を鵜呑みにしない分析力、さらには瞬発力が必要とされるため、MBA学習に取り組むに際して思考様式から見直しが求められ、結果として視野が広がりました。

また、MBAがある種のサブスペシャリティの様な役目を果たし、経営関係の講演・執筆依頼等が増え、活動範囲が広がったり、かつての私と同様にマネジメントや経営について学ぶ機会を欲している若手医師に対してアウトプットする場を与えてもらったりといった副効用が生まれたことは嬉しく思います。

又人前でのプレゼンテーションする度胸と能力が上がりました。

 

やり残したこと、後悔していることなどがあれば教えてください。

短期集中で全力投球出来たので、やり残したことや後悔は一つもありません。

そう思える環境を与えてくれたクラスメートや先生方に心から感謝しています。

 

MBAでキャリアアップを目指す女性に向けてのメッセージをお願いします。

ビジネスにおいて男女間格差を感じたことのない女性はほとんどいないのではないでしょうか?でも、女性だからといって卑屈になる必要はないですよ。

「MBA取得を考えている」という言葉だけで、実際には行動に移せずにいる男性だってたくさんいます。性別に悩んでいる暇があったら、そういった口だけの男性陣を尻目に、さっさとMBAを取得してしまって、誰からも何も言われない状況を作ってしまうのが一番だと思います。MBA取得で女性陣のビジネスにおける未来が拓かれることを祈っています。

 

 

 

今回、世界に目を向けることで日本のMBAや社会人になってからの教育、学習環境について現状を知ることが出来ました。しかし、同時に世界のMBA、学術分野においてレベルが後退している日本の現状を知ることにもなりました。次回は「MBAのその先」を行く新潮流についてご紹介させていただきたいと思います。

 

3回目へ続く・・・ 3回目では「MBAのその先へ」を中心にご紹介します。

 

 


 

喜多元宏氏プロフィール

DBA(経営管理学博士・スイス),MBA(フランス),東大修士(教育)、金工大工学(修士)

フランス・グランゼコールexeDBA中途退学(ENPC)

株式会社エグゼクティブ・ジャパン 代表取締役 / 欧州アジア大学院MBA・DBA学位取得総合教育プロバイダー 代表 / ExeJapan Business School 代表。

1977年、早稲田大学を卒業後、住宅資材関連商社に入社。海外事業責任者として世界40カ国で国際ビジネスを経験。嘗て、中東湾岸戦争直前にイラクのダム建設現場での住宅建設に関わる。1993年、フランス・グランゼコール国立ポンゼショセ校国際経営大学院で国際MBAを取得。在学中、学生運動を起こし学校側と対峙し、その縁で学長補佐官を拝命。帰国後、欧州系企業の本部長、社長を歴任。2002年、イギリス国立ウェールズ大学と交渉、MBAジャパンプログラムを創案、導入、東京で開講。初代プログラムディレクターとなり、2006年に退任。その後、欧州委員会関連機関で欧州ビジネスマンに日本における製造・流通・投資についての教育ミッションを担当する。NPO法人エイジコンサーンジャパン(イギリス最大福祉事業団体日本版)理事。著書『間違いだらけのMBA』(光文社ペーパバック)。

https://www.exe-japan.com

インタビュー記事公開 キャリアプラン最前線 ~女性のキャリア志向が高まっているそのワケとは~2019年11月21日

1回目:「MBAの基本」

インタビュー&カメラ:方喰正彰

 

2019年、消費税増税とともに話題になったこととして「老後2000万円問題」がありますが、働き方改革や副業の解禁など、これからのキャリアプランは今までになかったような大変革を遂げようとしていると思われます。

このような社会変化の中で、業界を問わず女性のキャリア志向が高まっているというお話を、MBAとキャリアという観点でお聞きしてみたいと思います。お話をお伺いするのは、MBAに関する事業をしている専門家、株式会社エグゼクティブ・ジャパンの喜多元宏氏です。最近のMBA事情を詳しくうかがってみました。

 

本企画は3部構成となっています。1回目は「MBAの基本」、2回目は「日本と世界のMBA」、3回目は「MBAの次のステップ」をテーマに取り上げます。また、毎回、MBA取得を目指し学習中の方や取MBAを得された女性のインタビューもあわせてお届けします。

 

 

 

増える女性の研究者

実際に、文部科学省 科学技術・学術政策研究所がまとめた『科学技術指標2018』によると、日本の女性研究者の数は2017年時点では144,126人であり、ほぼ一貫して増加傾向であることが指摘されています。また、世界規模でみた場合にも、各国とも女性研究者の割合が小さいのは企業であり、大学での割合はどの国においても大きい傾向があると指摘されています。

(出所:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 『科学技術指標2018』)

 

 

また、日本の新規採用研究者に占める女性の割合は、研究者全体に占める女性の割合よりも大きいという指摘がされています。

 

(出所:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 『科学技術指標2018』)

 

 

そのほか、日本の大学等における任期有り研究者の割合についても、男性より女性の方が高い傾向にあり、男性・女性研究者ともに、国立大学の保健分野において、任期有り研究者の割合が最も高いという指摘がされており、研究・学術分野において女性の活躍が目立っていることが確認できます。

 

(出所:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 『科学技術指標2018』)

 

同じく、同研究所による研究開発を行っている資本金1億円以上の企業を対象にした調査、『民間企業の研究活動に関する調査報告2018』においては

研究開発者を採用した企業の割合は2017年度において58.8%の企業が研究開発者を採用し、女性研究開発者を採用した企業は3割弱で、1人以上研究開発者を採用した企業に限定すると、そのうち22.1%の企業が博士課程修了者を採用し、50.3%の企業が女性研究者を採用したということが報告されています。また、採用された研究開発者数の学歴・属性別割合の推移においては、女性研究開発者(新卒)の割合が3年連続で増加し、2011年度以降、最大の割合になったということが報告されています。

(出所:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 『民間企業の研究活動に関する調査報告2018』)

 

学術分野において女性の活躍が広がってきていることを把握できたところで、ここからは、ビジネス分野における女性の活躍についてMBA産業を通じて調べていきたいと思います。

 

 

MBAは資格ではなくて○○だった?

まず、MBAとはどのようなものであるのかについて、再確認をしておきたいと思います。

「MBA」とは、「Master of Business Administration」の略で、一般に「ビジネススクール」と呼ばれる経営学の大学院(修士課程master course)の経営管理者コース修了者に与えられる学位のことです。ビジネススクールで提供されるMBA プログラムの最大のポイントは、研究者の育成ではなく、現役ビジネスパーソンの実践的なスキル向上を目的としています。イギリスQAA(高等教育品質保証機構)によれば、MBA はキャリア・ディベロップメント・ジェネラリスト・プログラム(career development generalist programme)と定義されています。

 

 

世界と日本のMBA

日本でもある程度、認知されてきたMBAですが、喜多氏いわく、世界に目を向けますと、MBAのスタイルは学校によって異なっているそうです。

喜多:フランスの国家エリート養成学校群であるグランゼコール(Grandes Écoles)はスタートして約270 年、ハーバード大学ハーバード・ビジネススクール(Harvard Business School, Harvard University) などの米国の一流経営大学院がスタートして約100年の歴史があります。一方、日本のMBA は、1978 年に慶應ビジネススクール(慶應義塾大学大学院経営管理研究科)が2 年制のMBA コースをスタートさせたものが最初のMBAです。

その後、各大学に経営大学院のようなものが徐々に創設されてきたが、教授陣やカリキュラム、輩出する人材などにバラツキがありすぎて、その評価は定まりませんでした。

そして、この評価が定まらないうちに、少子化による大学生数の減少が起こったり、急速なグローバル化によるアメリカ型経営が日本に浸透したこともあり、日本におけるMBA 乱発現象が起こりました。さらに、2003 年に文部科学省が従来の大学院研究科課程とは別に、企業経営や会計、法務などの実務家を養成する「専門職大学院」の制度を設けたことで間違いだらけのMBA 乱発現象をさらに加速させました。

 

 

日本で取得できるMBAとは?

日本国内でMBA と称する教育プログラムを実施している大学院には、次の4つのタイプがあります。

(1)AACSB※ のような国際認証機関(第三者品質評価機関)に認可されたビジネススクール

(2)第三者評価機関から正式にMBA と認可されていないが、欧米のMBA スクールに近い授業を行っている大学院

(3)カリキュラムやスクールのパンフレットではMBA の学位とあるが、実態はアカデミック・スクールに近い大学院。

(4)日本に進出した欧米のビジネススクール及び輸入MBAプログラム

 

喜多氏によると「(2)・(3)のタイプの各校が自校内でしか通用しないMBAという表記を使用するのは、募集の為である。この点が応募者に混乱と入学者に問題を起こしている。MBAに対する教育的インフォームドコンセントがなされていないことが原因であるが、殆どの応募者はこの点について知らない人が多い。」ということです。この辺りに「誤解されたMBA」の問題が潜んでいそうです。

 

※AACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)…

ハーバード大学、スタンフォード大学などの米国一流大学を中心に世界100カ国以上、1600以上の教育機関をメンバーとし、国際的にもっとも権威のある経営管理学教育の評価・認定機関。AACSBの認証は5年ないし10年ごとに継続審査を受け、合格しないと認証が取り消しとなる。

 

 

MBAを管轄している省庁はどこか?

喜多:大学院に準ずる機関なのだから文部科学省が管轄していると思われがちですが、文部科学省はMBA というものに対する概念を確立していませんし、MBA という学位は文部科学省認証に関連していません。MBAという称号は各大学が独自で表記しているだけなのです。

 

文部科学省はあくまでも、その学校が提出した認可申請書に基づき、申請された学位がカリキュラムやプログラムの内容に適合しているかどうかを審査し、学位を認可しているに過ぎません。もちろん、それは日本語の学位表記に関するものであるため、日本の大学院が表記している取得学位は、MBA ではなく、多くの場合、日本語表記による「経営学修士」となっています。専門職大学院「ビジネス・MOT」では経営学(専門職)(総称)と表記するのが正しく、MBAを認証する海外第三者品質評価機関の認可のないMBAは自称MBAとなります。

 

 

乱立する日本のMBAスクール

1991年に28 種類あった修士課程の学位の数がその後の自由化により、2004 年には437 種類に、2016年度では1703種類にまで増加しています。

このうち、いわゆるMBA に相当する専攻分野を例にとれば、「修士(経営管理)」「修士(経営管理学)」「経営管理修士(専門職)」「経営管理学修士(専門職)」の4つの名称に加えて、「修士(経営学)」「修士(経営)」「修士(経営情報学)」「修士(ビジネス)」「経営学修士(専門職)」「経営修士(専門職)」「国際経営修士(専門職)」、「デザイン経営修士(専門職)」「ファイナンス修士(専門職)」「国際会計学修士(専門職)」など、少なくとも14 種類の学位名称に対してMBAを英語表記として用いています。なお、この専門職大学院の中でMBAの品質保証を得ているのは早稲田大学と明治大学のみとなっています。

 

アメリカで始まり欧州で国際的に発展したMBA

 

MBAでは経営に対する「学問的なアプローチ」と「実践的アプローチ」があります。

前者は欧州的で、後者はアメリカ的と言われていますが、各スクールの教育方針により違いがあります。いまでは、MBAというと世界的に後者ほうが主流となっています。いわゆる「経営管理学」(business administration) です。しかし日本では、この両方を明確に分けずに「経営学」と呼ぶことが多く、体系的な混乱が生じています。

ただ、イギリスでは必ず論文を提出しないと学位は取得できないため、この論文を仕上げる論理の組み立てが今は大変重要なトレーニングになっています。

経営管理学のMBA は、19 世紀末に米国ペンシルベニア大学(ウォートン・スクールWharton School)に始まり、20 世紀初頭にダートマス大学、さらにはハーバード大学でケースメソッドが開発され、今日のMBA 教育の基礎がつくられたと言われています。

注:ドイツの官僚養成学校であるという説やフランスのエリート養成学校・グランゼコールに起源があるという説もあります。

 

 

― 世界に通じるMBAとはどういったものなのでしょうか?

 

喜多:第三者品質保証機関の保証があるかどうかが重要です。たとえば、イギリスの高等教育品質保証機構(QAA)による教育評価であったり、アメリカのAACSB、ベルギーの欧州経営開発財団(EFMD)など、国際認証機関として世界的に実績のあるマネジメント教育に関する認証を受けているカリキュラムを提供しているMBAです。

 

日本でMBAの国際的な認証機関(EQUIS 、AACSB、AMBAなど)のいずれかから認証を受けている大学は、慶応大学、国際大学(新潟)、立命館アジア太平洋大学、名古屋商科大学(NUCB)、早稲田大学ビジネススクール、明治大学の6校しかありません。(2019年9月1日現在)

世界に目を向けると、アメリカではプログラムは2年制が一般的で、1年目は戦略立案、ファイナンス、会計、統計、マーケティング、経済学、オペレーション、組織学といった必修科目を学び、2 年目は専攻科目を学ぶケースが多いです。また、1年目と2年目の間に、サマーインターンシップ制度があり、企業で研修を受けられるようになっています。学部卒業生がそのままビジネススクールに進むケースも多く、約3割が実務経験のない学生というスクールもあります。

また、カナダではアメリカのビジネススクールと同じようなシステムで、2 年制プログラムが中心ですが、ビジネススクールの数は少なく、入学難易度が高くなっています。

一方、イギリスでは2年制より1年制が中心(フルタイム)であり、パートタイムやTop UPなどコースに多様性があります。(パートタイムは2年)

 

欧州諸国は多くが、学部3 年修士1 年というシステムになっています。ビジネススクールは各国に特徴のあるスクールがあり、その特徴を求めて留学生が集まっていますが、ほとんどのトップ・ビジネススクールが母国語と英語のコースを併設しています。

ドイツにおいては、実践的なMBA認められるようになったのは1999年と、MBAの歴史が浅いです。

オーストラリアでは国を挙げて留学生誘致政策を取っているため、MBA留学も注目を集めており、英語圏でありながら学費と生活費が割安であるため、アジアから留学生が多く集まっています。

アジア圏については、中国をはじめ、香港、シンガポール、韓国など、これらの地域は日本をはるかにしのぐ学歴競争社会です。これらの国と比較すると、先進国の中で日本だけが学歴に無頓着なのではないかとさえ思ってしまいます。

中国には中欧国際工商学院(CEIBS)というが世界トップレベルの学校があります。このスクールは中国政府とEU(欧州連合)とのジョイントベンチャーで1994年に設立されました。Financial Times「Global MBA Ranking 2019」でもトップ5にランクインするようなレベルです。

それ以外にも欧米のビジネススクールが目白押しで、イギリス大学の輸入プログラム受講者数も約7万人に上ります。

香港、シンガポールも有名校が進出しており、フランスのINSEAD(インシアード)、シカゴ大や、地元の香港大学、香港科技大学が有名です。シンガポールでは国立シンガポール大学やSMU(Singapore Management University)が有名です。

また、MBAでインドにはIndian School of ManagementやIIM(Indian Institutes of Management)がトップ校で、欧米のビジネススクールを蹴って入学する人も珍しくないそうだ。インドと言えばインド工科大(IIT)が有名だが、友人曰く、IIT落ちたものがアメリカのMITに行く、インドは最高レベルなどと豪語しているので、ビジネススクールの学生もその点は同じだと思います。

日本は世界どころかアジアでもMBA後進国であるといわざるをえない状況であり、喜多氏いわく、「日本のビジネススクールがアジアに進出しても太刀打ちできない」というレベルにあるということです。

 

 

 

MBAを目指した女性・1人目 山下琴美さん(仮名)

 

実際に国内でMBAを取得中の20代の女性にお話をお伺いしてみました。

看護師のキャリアアップとともにMBAを取得された理由とは――

 

簡単にご経歴を教えてください。

看護大学を卒業したあと、臨床看護師となり、企業看護師を務めたあとで保健師(行政関連)になりました。

 

チャレンジしたMBAはどんなものですか?

英国国立アングリア・ラスキン大学MBAです。

 

学校の決め手はどこにありましたか?

一つに、MBAと言っても様々で、国際的にも通用するイギリスの学位であると知ったことが大きいです。漠然とした英語への苦手意識がありましたが、授業が日本語であることから、理解の段階で言語が壁になることがないのは魅力的でした。課題などは英語のため、英語の論文などを書く練習にもなるという点も良かったです。日英両方の力がつきます。

また、平日は自身の専門分野の仕事で経験を積みつつ、週末にMBAの勉強を並行できるというのが、自らの生活スタイルやキャリアプランにも合っていると考えました。

 

MBA取得までに悩んでいたことがあれば教えてください。

元々の専門は看護領域ですが、対個人だけではなく、広い意味で人々の健康に関わりたいと考えていました。そのためには医療・健康に関することだけではなく、広い知識や論理的思考能力が必要だと感じるようになり、どうやって学ぼうかと悩んでいました。公衆衛生学(MPH)分野への進学を視野に入れると同時に、MBAの勉強もしてみたいと考え、入学に至りました。

 

MBAの勉強を始めて得られたことはどんなことでしょうか?

学生のバックグランドが様々であり、多様な価値観や進路の可能性について知ることができました。特に医療分野は閉じられた世界になりやすいので、多彩な人々とグループワークや意見を交わすことは、とても刺激的でした。

 

印象的だった出来事があれば教えてください。

限られた時間の中でグループワークを行い、最終日にプレゼンし論評してもらうというマーケティングの授業です。その年は、実際のワインショップを会場として各チームが日本ワインの戦略を発表するというものでした。見る側としてワイン片手に発表を聞いていましたが、皆さんが和気藹々と発表に励んでいる姿が、とても印象的でした。

 

MBAにチャレンジして良かったことを教えてください。

様々なバックグラウンドを持った学生や先生から学ぶことが多かったことで、少しずつではありますが、今までになかった「考え方」を自分の中に取り込むことができました。

MBA的な視点で言えば、医療系の業界はまだまだ課題が多いのだと感じる一方、学んだことを活かす機会も多いのではないかと考えています。取り込んだことをこれからの人生にどう活かしていけるのかはまだ未知数ですが、可能性の幅を広げていければと思います。

 

やり残したこと、後悔していることなどがあれば教えてください。

今まで勉強してきた分野とは全く別の内容であり、まずビジネス経験のある学生さんの使う用語から分からず、勉強方法も戸惑うことも多かったです。確実な知識とエビデンスを重視する意識が身についていたこともあってか、課題への取り組みや心理的ハードルが高くなってしまったように思います。

 

MBAでキャリアアップを目指す女性に向けてのメッセージをお願いします。

参加の時期にもよるかと思いますが、私が入学した時には思っていたよりも女性が多く、驚きました。女性のMBAホルダーが多く活躍する時代なのだろうと感じています。

 

 

 

今回、MBAについて改めてその内容を知るとともに、日本国内におけるMBAの動向や世界との比較について現状を知ることが出来ました。一つのマーケットとして世界のエリート、トップ層が当たり前のように取り組んでいるMBA。次回は世界に目を向け「日本のMBAと世界のMBA」についてご紹介させていただきたいと思います。

 

2回目へ続く・・・2回目ではさらに深掘りして、「日本のMBAと世界のMBA」を中心にご紹介します。

 

 

喜多元宏氏プロフィール

DBA(経営管理学博士・スイス),MBA(フランス),東大修士(教育)、金工大工学(修士)

フランス・グランゼコールexeDBA中途退学(ENPC)

株式会社エグゼクティブ・ジャパン 代表取締役 / 欧州アジア大学院MBA・DBA学位取得総合教育プロバイダー 代表 / ExeJapan Business School 代表。

1977年、早稲田大学を卒業後、住宅資材関連商社に入社。海外事業責任者として世界40カ国で国際ビジネスを経験。嘗て、中東湾岸戦争直前にイラクのダム建設現場での住宅建設に関わる。1993年、フランス・グランゼコール国立ポンゼショセ校国際経営大学院で国際MBAを取得。在学中、学生運動を起こし学校側と対峙し、その縁で学長補佐官を拝命。帰国後、欧州系企業の本部長、社長を歴任。2002年、イギリス国立ウェールズ大学と交渉、MBAジャパンプログラムを創案、導入、東京で開講。初代プログラムディレクターとなり、2006年に退任。その後、欧州委員会関連機関で欧州ビジネスマンに日本における製造・流通・投資についての教育ミッションを担当する。NPO法人エイジコンサーンジャパン(イギリス最大福祉事業団体日本版)理事。著書『間違いだらけのMBA』(光文社ペーパバック)。

https://www.exe-japan.com

M&A専門誌マール 2018年1月にインタビュー掲載2019年8月29日

経営大学院の修了者に与えられる代表的学位の略称である「MBA」。日本語では、経営管理学修士、経営学修士など正誤を含め様々な形で翻訳されているが、果たして現在の「MBA」はビジネスエリートの登竜門であり得るのか。国際ビジネス高等教育コンサルタントで当校プログラム ディレクターの喜多が説明しています。

 

 

M&A専門誌マール 2018年1月記事

経営大学院の修了者に与えられる代表的学位である「MBA」。日本語では、経営管理学修士、経営学修士(これは誤訳)と呼ばれているが、果たして現在の「MBA」は、ビジネスエリートの登竜門であり得るのか。取得して当然の自動車免許のごとくか?国際ビジネス高等教育コンサルタントの喜多元宏氏に話を伺いながら、今一度、日本国内のMBA事情について整理し、正しく把握しておきたい。

MBAを取得していなければ何もはじまらない

――  まずは、改めまして“MBAの必要性”みたいな、基礎的なお話からお聞かせいただけますか。

「昨今、『MBAを持っていないと戦略の部隊に入れない』『会議にすら参加できない』という声が聞かれるようになりました。もちろん、これは遠い海外企業の話ではなく、日本の企業で実際に起きている実話です。

その背景には、グローバルな事業再編というビジネストレンドがあります。日本企業にも、どんどん外資の血が入ってきて、“いつの間にか上司が外国人になっていた”なんてことは日常的にあります。ビジネスの世界では、MBAは経営管理学の共通言語のひとつですから、冒頭に述べたように、この学位を持っていない人は、極端な話、外国人が上司になった途端に、会議に呼ばれなくなるという話です」

――  なるほど。かなり恐ろしい話ですね。

「こんな話もありました。外資の製薬会社に勤めていた人が所属していたマーケティング部門が突然、解体となってしまった。グローバル戦略に舵を切ることになったために、国内だけを見ていた旧態依然としたマーケティングが不要になったのでしょう。

その時に、MBAを持っている人はスムーズに転職ができたけれども、持っていなかった人は苦戦したと。これらのエピソードは脅しでもなんでもなく、実際にあった話ですからね。危機感を感じている人も多くいらっしゃるとは思います」

――  それだけMBAというものが、国際化の中で浸透し、ビジネスパーソンの価値を判断する、ひとつの物差しになっているということですね。

「そういった側面は確かにありますが、勘違いしてほしくないのは、MBAは単なる自己アピールの材料のひとつではないということ。MBAを取得するための勉強は、ビジネスマンとしてのすそ野と視野を広げる絶好の機会といえます。これだけ変化の激しい時代ですから、すそ野がしっかり広がっていなければ、強風にさらされて、いとも簡単に倒れてしまいます。しかも必須の自動車免許です。

すそ野を広げるためには、癖として身についてしまっている日本特有の暗記知識学習からの脱却が必要です。絶対正解があって、そこを目指すための学習が主流となっている資格試験型の勉強が身に染みているのでしょう。

MBAの学習はまったくその逆で、答えなど最初からありません。理論を組み立てながら、立体的に論理を構築してソリューションを導き出す学習法を採用しています。従来の知識学習では、“張りぼて”の知識しか蓄積できず、すそ野も広がっていかないので、すぐに倒れてしまうのです。

しかも悪いことに、日本人には社会人になった途端に勉強をしなくなる傾向があります。25歳以上で大学で学習している比率はOECD加盟国の中ではもっとも低く加盟国平均が20%を超える中、日本はわずか1.7%という数字ですから、本当に情けない。そこにグローバルという黒船がやってきたのですからたまったものではありません。それ相当の学習をしていなければ、会議に呼んでもらえるわけがないのです。

もちろん、この状況に早くから気が付いているビジネスパーソンは沢山いるし、MBA取得に対する意識も徐々に高まってきましたが、しかし、いくつかのハードルがあるせいか、なかなかポピュラーにはなりきれていません。しかも、そのハードルというのは、実は日本人の勘違いによって勝手に作られたハードルだということに気づいていない人が多い」

第三者機関による品質保証がないMBAの価値

――  どのようなハードルがあるのでしょうか。

「もっとも顕著な形で目の前に立ちはだかっているのは金銭的なハードルでしょう。MBAと言えば留学が必要で、家族がいたらそんな金銭的余裕はない。だから、取得なんかできないという。そういった大きな勘違いがあります。

実は、MBAの本場であるイギリスでは、何十年も前からプログラムの輸出を実施していて、今では世界で70万人もの人が現地に行かずにイギリスの高等教育のカリキュラムを履修している状況にあります。

もっとも割合が大きいのはマレーシアで7万4000人が履修。次いで中国が7万人で、約一割を占めています。他にも香港、シンガポールでもイギリス流の教育を受けることができます。世界の大学から香港には1100の教育プログラムが輸入され、その半数はイギリスからです。強かなはずです。

もちろん日本でも可能ですが、それを知る日本人が非常に少ないため、当然、他国に比べて、圧倒的に履修者が少なくなっています。

もうひとつ、日本のビジネスマンが大きく勘違いしているというか、知られていないことは、MBAには第三者機関による品質保証及び認証制度があるという事実です。イギリスには「QAA」(品質保証)、世界的には「AACSB」(認証機関)があり、そこに準拠する機関とプログラムがあるということです。日本の文科省はMBAには無関係(これは入れば入れてください文字が越えれば削除でも可)

すなわち、第三者機関の認証及び品質保証がないMBAは国際的どころかアジアでも通用しないし、むしろ国際舞台に立ったときに恥をかいてしまう可能性もあります。

ちなみに日本の大学では、慶應義塾大学、名古屋商科大学、立命館アジア太平洋大学、国際大学の4校のみが、第三者機関による認証を取得。こういった実態が広く周知されていない日本は、他国に比べて“MBA後進国”と言わざるをえず、せっかく志高く、お金と時間を費やして学習しても、それが無駄になってしまう可能性があるということは認識すべきでしょう」

人間としての総合力を養う場

――  日本には大学以外にも多くのビジネススクールが存在していますが、そのような教育機関においては、どのような状況となっているのでしょう。

「私たち、株式会社エグゼクティブ・ジャパンが運営するグローバルマネジメントカレッジのMBAコースは、イギリス「Ofqual」(公的資格監査機関)認証のPGDを日本で取得後に英国大学院へ遠隔留学するTopUpを採用しています。留学費用をかけず、日本にいながらにして、イギリス式講義を受講できます。開講日は毎週土曜日のみ、ひとつの科目で月に3回実施し、8科目を履修後、イギリスの大学院へ遠隔入学しMBAが取得できます。海外のMBAコース取得には経済的学費です。

理解度を高めるために授業は日本語で行い、課題はイギリス式の英文で提出。論文を書かせるイギリスの学位は世界中に通用しますが、他にもスイス、ポーランド、マレーシア、イギリスの経営博士コースも用意しているので、内容や費用に合わせてセレクトできます。海外大学院の学位を複数取得できる日本唯一の教育機関となっています。上級管理職はMBAではなく経営博士の時代でもあります

当校には現在、24歳~56歳、ビジネスマンから医師までと、様々な年齢の様々な立場の社会人が学びの場を求めてやってきますが、この多様性こそがまさにMBAの真骨頂で、メンバーが互いに議論を深めながら視野を広めていきます。

MBAは目の前の仕事や出世のためだけに必要なのではなく、新しい自分を発見する旅でもあり、人間としての総合力を養う場でもあります。だから年齢はまったく関係ありません。国際標準のビジネスマインドを身に着けるのには、いつから始めても良いでしょう。まずは、一度、話を聞きにきていただければと思います」

きた・もとひろ
株式会社エグゼクティブ・ジャパン 代表取締役 / 英国大学MBA・DBA学位取得総合教育プロバイダー 代表 / GMC Business School 代表
1977年、早稲田大学を卒業後、住宅資材関連商社に入社。海外事業責任者として世界40カ国で国際ビジネスを経験。嘗て、中東湾岸戦争直前にイラクのダム建設現場での住宅建設に関わる。1993年、フランス・グランゼコール国立ポンゼショセ校国際経営大学院で国際MBAを取得。帰国後、欧州系企業の本部長、社長を歴任。2002年、英国国立ウェールズ大学と交渉、MBAジャパンプログラムを創案、導入、東京で開講。初代プログラムディレクターとなり、2006年に退任。その後、欧州委員会で欧州ビジネスマンに日本における製造・流通・投資についての教育ミッションを担当する。DBA(経営博士・スイス),MBA(フランス),東大修士(教育)、工学(修士)

アングリアラスキン大学MBA取得者 体験談:土屋秀登さん2019年5月4日

外資系IT企業 勤務
MPC 一般社団法人MBA推進協議会 代表理事
土屋秀登さん

 

Q1 バックグラウンド
私がこのアングリアラスキンMBAコースに入学したのは2016年10月、ちょうど30才の時でした。アングリアラスキン大学へTopupしたのが2017年6月、合格通知が来たのが2018年3月でしたので在学していた期間は約18ヶ月です。
現在は外資系IT企業にて、新規クライアント担当としてクライアントの抱えるIT課題を解決するための企画立案や提案活動に従事しています。

Q2 なぜMBA取得を検討したのか?
既にアジア系外資メーカー2社にて勤務経験があり、2016年に転職した外資系メーカーの日本法人社長がMBAホルダーだった影響で、海外本社のマネジメントレベルと共通言語で会話するためにはMBAが必要だと感じるようになりMBAを検討するようになりました。
外資系日本支社という組織内で発生する様々な問題のボトルネックを特定し、利害関係を把握しながらその組織課題を解決するためにプランニングから実行段階まで立案するためには、MBAのような包括的な経営知識の習得が必要でした。

Q3 なぜアングリアラスキンMBAを選んだのか?
海外でも学位が評価され価値が担保されたパートタイムMBAを検討する中で、アングリアラスキン大学MBAを選びました。
アングリアラスキン大学はTimes Higher Educationでも世界大学ランキングで350位以内の上位校なので、卒業後のMBA品質担保と対外的な説明が簡単だと考えました。
イギリスMBAを検討する上でオンラインのみなどの他のプログラムも候補に挙がりましたが、イングランド拠点の大学の方が他エリアと比較して学生の数が多いと思ったので、アングリアラスキン大学にすることにしました。

Q4 MBAのクラスはどうだったか?
このプログラムは2つのカリキュラムに分かれていて、Topup前の日本での授業とTopup後のアングリアラスキン大学とのオンライン学習があります。
Topup前の毎週土曜に開講される授業では、ディスカッション形式のクラスを行った後で英語でアサインメントを作成します。
業界も世代も異なるクラスメイトの中で議論をすることにより、普段の仕事では身に付けることのできない交渉力やプレゼンスキルが鍛えられたと思います。
Topup後はチューターとのオンライン学習になり、論文形式の課題を作成します。
課題の主張に対する論理構成や展開方法などを海外の論文形式に沿って徹底的に指導されるので、ビジネスにおいてのプレゼンの組み立て方などで非常に参考になりました。
総合すると日本語と英語のブレンドなので授業などのインプットは日本語で、アサインメントなどのアウトプットは英語で行うことにより国内と海外で通用するスキルを身に付けることができたと思います。

Q5 MBAを取得して何が変わったか?
このMBAを卒業して、アジア系外資メーカーからアメリカ系IT企業へ転職することできました。ポジションとしては同じ新規クライアント担当になりますが、クライアント課題の特定と解決フロー作成・提案実行までがMBA取得前と比較して格段にレベルアップしたと感じています。
また海外MBA取得をlinked inプロフィールに追加した結果、海外リクルーターからのオファーも増えました。
MBAの価値が将来的に低くなることは考えにくいので、三十代前半で海外MBAが取得できたことは今後のキャリアにおいて非常に有益だと実感しています。

アングリアラスキン大学MBA取得者 体験談:城戸崎祐馬さん2019年5月4日

外資系製薬企業 ビジネスコンサルタント マネージャー
城戸崎祐馬さん

2018年7月 Anglia Ruskin University MBA取得

 

Q1.現在の業務を教えてください
医療機関に対する経営コンサルティングを行っています。戦略立案・マーケティング・HRM・データ分析等が主体業務となります。

Q2.MBAを取得しようとした動機は?
ビジネスフレームの基礎学習は自分でも行っていましたが、独学での限界を感じたため。また、他業種の方々との交流と議論を行いたかったためです。

Q3.なぜARUか?
製薬企業の人間ですので、承認品(品質・効果保証)ということに人一倍拘りがあります。その為、取得する以上は国際的に通用するMBAであることは必須条件でした。そして働きながら通学ができること、2年間かける必要がないこと。この3つの理由からARUコースを選択しました。

Q4. MBA通学中の思い出は?
ExeJapanのスタイルとして華美な装飾を一切排していることにまず驚きました。わかりやすく言うと、学習空間は雑多な教室に机と椅子が並べられているだけです。最初は戸惑いましたが、確かに座学やディベートに派手さは不要なのでストイックな環境で学問に集中することができました。学習の流れとしては、東京都内で講義を受け、複数のアサインメントを完了し、英国にTopUpするのですが、そこからが大変苦労しました。TutorやSuper Visorと英語での意思疎通は勿論ですが、論文Passまで自主的に情報を取りにかからないと周りに置いて行かれる環境でした。聞いてこない相手に対してリマインドやルールを丁寧に説明してくれるという文化がなかったのです。情報弱者は課題提出の存在すら知らないという状況でした。他のビジネススクールに通ったわけではないのでハッキリとはいえませんが、ここまで情報収集を徹底されることはARUならではと思います。

Q5. MBA取得後について
偶然ですが、最終論文をPassしたタイミングで社内昇格しました。今まで以上に責任を負う立場になりましたが、経営の基礎を学んだという自負があり、プレッシャーはありませんでした。MBAを習得したことで精神的な余裕が少しでてきたのかもしれません。

ただ、ここで勘違いしてはいけないのが、知識を得ることがゴールではなく、得た知識をどうビジネス現場で活かすかが重要ということです。どれだけロジカルな回答を出しても現場で反感を買えばそれは正答ではないということになります。確固たる軸をもち、柔軟に対応していく。なんちゃってMBAホルダーになるか、そうでないかの差はこの意識にかかっていると思い、これからも自分を戒めたいと思います。

MBA取得のデメリットも伝えておきます。ロジカルなミーティングが出来ない時、激しくストレスを感じるようになることです(笑)。論理を積み重ねて物事を考える癖がついたので、感覚や感想だけで議論が進むことを不毛の極みに感じます。

 

色々あげましたが、MBAは純粋に学問として楽しい。選択する理由はそれだけでいいと思います。結果としてそれがビジネスの現場で活かせれれば最高ではないでしょうか。